慶應義塾大学で出会った、もう一つの人生の可能性

政治学科3年
万 宇潔 さん

 私は母国の高校で美術を専攻していました。日本のアニメや映画で描かれる学校生活に憧れを抱き、「いつか日本で学びたい」という夢を強く心に描くようになりました。その夢を実現するため、留学に向けて長い時間をかけて準備を進めてきました。
  留学生試験の勉強をしていた頃、特に興味を持ったのは政治の分野でした。高校までの授業とは異なり、国際的な視点から社会や政治を分析する面白さに魅了されました。そこで、政治学を幅広く学び、ゼミナールを通して自分の関心をより深めることができる慶應義塾大学法学部政治学科を志望しました。
 留学生として最初に直面した大きな壁は言葉でした。試験には合格したものの、実際の授業や日常会話のスピードについていくのは決して容易ではありませんでした。しかし、教員方や学生の皆さんはとても親切で、いつも温かく支えてくれました。彼らの励ましや助言に支えられながら、少しずつ日本語で自分の意見を述べる自信がつき、今では学術的な議論にも積極的に参加できるようになりました。
 慶應義塾大学では、知識を学ぶだけでなく、表現力や実践的な能力を磨く機会が数多くあります。ゼミナールでは、仲間との議論や発表を重ねる中で、多角的な視点から物事を捉え、自分の考えを論理的に構築する力を培いました。また、同じ目標を持つ仲間と共に学び、支え合いながら成長できたことは、私にとって大切な経験となりました。
 キャンパスを歩くと、夜の灯の下で足早に歩く学生の姿、図書館で真剣に勉強する人々、体育館から響く元気な声----その一つひとつの光景が、「ここが私の居場所だ」と実感させてくれます。あと一年でこの場所を離れ、新たな旅が始まります。しかし、慶應義塾大学で学んだ「独立自尊・実学」の精神は、これからの人生を照らす確かな指針となるでしょう。短くも濃密な慶應での日々は、私の心に深く刻まれた一生の宝物です。
 千里の道も一歩から----小さな一歩を踏み出した私の旅は、これからも続いていきます。

殻を破って、自分の世界を広げる旅へ

法律学科3年
郭 珉碩 さん

 私は自分の目で直接「日本」という国を感じるために留学を決心しました。私たちは時に自分の意思とは関係なく主流の意見に流され、お互いの真の姿を見失うことがあります。ひよこが殻を破って広い世界に出るように、私も自分の世界を離れて、新しい世界を自ら見て判断したいと思ったのです。
 日本に来て、私は教科書の文字やインターネットの映像では決して表現できない「何か」を感じました。それはある意味では文化と呼ばれるものであり、日常の隅々に染み込んでいて一言で説明できませんが日本という国の姿が少しずつ見えてきた気がします。
 私が選んだ法学という分野もまた、その気づきの肥やしとなりました。法律とは規則であると同時に、その社会を映す鏡であり、同じことについても人は皆違う考え方を持っているという当たり前の真実を改めて思い出させてくれました。
 母国から離れ一人の異邦人になると、自国と自分自身についてより客観的に見ることができます。多くの人と出会い、異なる考えを分かち合うことで、私たちは無限の可能性を感じながらどんな道を進むべきか見つけていきます。
 慶應法学部には、日本各地の秀才たちが集まり、それぞれの夢に向かって歩んでいます。私は東京タワーが見えるキャンパスで、皆で一緒にスポーツを楽しむ体育館で、笑い合いながら未来を描いたゼミ合宿で、その青春の日々を過ごした自分の選択を決して後悔していません。
 慶應法学部は、皆さんが自分だけの道を探す時にきっと最高の道標になってくれると、私は自信をもって言えます。自らの夢を追いかける全ての人を心から応援しています。

ナビゲーションの始まり