法学部では広範な知識の獲得や教養の育成を目的として、外国語科目、人文科学科目、自然科学科目など多くの科目を設置しています。とはいえ、知識や教養も体系的構築があってはじめて総合的視野の形成に至ることは言うまでもありません。例えば「地域文化論」がIからIVまであるといった具合に、知識を積み上げながら 体系的に学習できるシステムになっています。
 さらに、3・4年次用に「 人文科学研究会」「 自然科学研究会」 を設置し、1・2年次で学習してきた人文科学や自然科学の領域を継続して深められるようにしています。そして、4年間体系的に学習してきた領域について一定の成果をおさめた場合「副専攻」として認定し、卒業時に「法学部副専攻認定証」を授与します。詳細は塾生サイト内の『法学部「副専攻認定制度」について』をご覧ください。
 副専攻認定制度では、既存の学問分野にとらわれない「知」のフィールドを新たに開拓することも奨励しています。上に挙げたモデルにとらわれる必要はなく、例えば人文科学と自然科学の2つの研究会を履修して、人文・自然の両分野にまたがる論文を書くことも可能です。

 今年度開講の人文科学研究会・自然科学研究会の一覧や、過去の優秀な卒業制作等はこちら

2024年度開講される副専攻のテーマ例
(人文科学研究会/自然科学研究会)

◎アメリカの音楽文化 ◎世界の宗教と社会 ◎日仏交流 ◎アラブの声:メディアを通じて ◎アメリカの文化と社会 ◎イベリア半島の文化と社会 ◎日本の思想と文化 ◎小説を読む、書く ◎ことばの分析̶発見の喜びを求めて ◎ロシアの文化と社会 ◎現代ドイツ研究 ◎パフォーミング・アーツ研究 ―アメリカ文化を中心に― ◎イギリス文化・社会とメディア ◎Société française ◎世界の文学を読む ◎近現代イギリスの文化と社会 ◎ラテンアメリカの文化と社会 ◎中国及び東アジアの安全保障 ◎短編文学作品からイギリスの今を知る ◎人文・社会科学と自然科学の架け橋―環境史を学ぶ ◎生命科学にかかわる諸問題 ◎流れの物理

「副専攻」認定の一例:生物学

1・2年次
【 実験科目(必修) 】生物学Ⅰ・Ⅱ(各半期3単位、合計6単位)
【 自然科学科目 】心理学Ⅰ・Ⅱ(各半期2単位、合計4単位)、自然科学総合講座Ⅰ(半期2単位)、他
3・4年次
自然科学研究会Ⅲ・Ⅳ[生物学] (各半期2単位、合計4単位)、他+卒業研究 → 合計16単位以上

人文科学研究会

人文・社会科学と自然科学の架け橋―環境史を学ぶ



林 秀光(りん しゅんこう) 先生

 歴史研究は人間同士にまつわるさまざまな関係を描いてきましたが、テクノロジーの進歩により、今や人間とAIの関係も取り沙汰され、それを解釈し理解する新しい学問の登場が待たれています。そうした大きな時代の流れの中で、いま一度、人類に生存と文明を育む環境を提供してくれた自然との関係を捉えてみる必要性がますます重要になってきたといえましょう。
 文明の誕生と環境、国際社会におけるパワー・バランスの不均衡と環境、災害や資源開発などに関する自然と人間社会の葛藤について、分野横断的な手法を通して学びます。また、中国をはじめ東アジアにおける研究動向を把握し、「人間と自然との相互関係」を捉える環境史のアプローチを取り込み、新たな分野の開拓や「知」の創造を期待します。この研究会は、受講者がそれぞれの専門である法律学や政治学の知識を生かして貢献し、互いに刺激し合うことのできる場となることを願っています。

新たなる「知」の開拓―環境史のススメ
法律学科4年 Yさん

 「環境史」とは、いったいどのような学問でしょうか。これを文字どおりに解釈すれば環境の歴史ということになります。歴史である以上、人文科学としての色彩はあるでしょう。一方で、環境に関する学問であるため、自然科学としての要素も欠かせません。また、自然環境と人間社会は密接不可分であることから、社会科学的な視点による分析も求められています。私たちは、このように単一の分野にとらわれることのない学際的な方法論による研究をしています。 この研究会を指導してくださる林秀光教授は、長年取り組まれている中国長江の三峡ダムについての研究によって培われた知見を惜しみなくゼミ生と共有し、議論を活性化してくださります。また、ゼミ生の使用言語や国籍はさまざまで、日常的に多様な価値観に触れることができます。林秀光研究会は、まさに知のメルティング・ポットといえるでしょう。
 みなさんも、以上のような稀有なプラットフォームに身を置き、主専攻たる法律学・政治学のみならず、副専攻として環境史も研究してみませんか。

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