1.「法曹コース」とは

2020年4月、慶應義塾大学法学部に「法曹コース」が設置されました。
法曹コースとは、法学部と連携協定を結ぶ法科大学院との間で一貫的な教育プログラムを編成し、法曹を志す学生に効果的な教育をするものです。法曹コースを修了して学部を3年で早期卒業し、その後、法科大学院の既修者コース(2年)に進学すれば、大学入学から司法修習までの期間が最短で5年となります。

2.本学における法曹コースのしくみ

本学における法曹コースは、登録をした学生がコースに所属する、といった形のものではなく、法律学科の専門科目のうち指定された科目を履修することによって法科大学院に進学する資格を得る、という履修プログラムです。法曹コースの特別な演習科目として「法務演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」が用意されていますが、法律学科のカリキュラムの中に設置されている科目ですので、法律学科の学生であれば通常の履修申告手続によって履修をすることができます。

3.履修すべき科目について

法曹を志望する学生のうち、特別選抜により法科大学院に進学することを希望する者は、法律学科目の中から下記の指定科目を履修し、優秀な成績を収めることが求められます。
① 指定科目……法曹コース所定のプログラム修了のために履修して単位取得するとともに、特別選抜において優秀な成績を収めることが必要となる科目
② 推奨科目……法曹コース所定のプログラム修了のための要件ではないが、法科大学院への進学までに履修することが推奨される科目

指定科目

推奨科目

1年次

法学(憲法を含む)Ⅰ・Ⅱ 憲法(総論・人権)Ⅰ・Ⅱ 民法(総論)Ⅰ・Ⅱ 民法(債権各論)Ⅰ・Ⅱ 刑法(総論)Ⅰ・Ⅱ

法務演習Ⅰ(司法制度論)
法務演習Ⅰ(憲法・民法・刑法)

2年次

憲法(統治)Ⅰ・Ⅱ 民法(物権法)Ⅰ・Ⅱ 民法(債権総論)Ⅰ・Ⅱ 刑法(各論)Ⅰ・Ⅱ 会社法Ⅰ・Ⅱ 法務演習Ⅱ(憲法Ⅰ)・同(憲法Ⅱ) 法務演習Ⅱ(民法Ⅰ)・同(民法Ⅱ) 法務演習Ⅱ(刑法Ⅰ)・同(刑法Ⅱ) 法務演習Ⅱ(会社法)

3年次

会社法Ⅲ・Ⅳ 民事訴訟法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 刑事訴訟法Ⅰ・Ⅱ 行政法総論Ⅰ・Ⅱ 民法(家族法)Ⅰ・Ⅱ 法務演習Ⅲ(憲法) 法務演習Ⅲ(民法) 法務演習Ⅲ(刑法) 法務演習Ⅲ(会社法) 法務演習Ⅲ(民事訴訟法) 法務演習Ⅲ(刑事訴訟法)

民事執行・保全法
行政救済法Ⅰ・Ⅱ

4.早期卒業について

特別選抜により法科大学院に進学する学生は、自ら希望すれば、卒業に必要な単位を取得し、かつ、一定の成績基準に達していることを条件として、6学期(3年)の在学をもって卒業(早期卒業)をすることができます。ここにいう一定の成績基準とは、第2学年修了時におけるGPAが法律学科における同学年全体のうち上位30%以内であるとともに、第3学年修了時においては上位25%以内であることをいいます。
なお、早期卒業をするためには、①第2学年修了時において早期卒業を希望する旨の申請をすること、②第3学年修了時において早期卒業希望の申請をし、かつ法科大学院特別選抜方式による選考に合格して入学が確定していること、③法曹コース所定のプログラムを修了していることが必要です。

5.法科大学院特別選抜について

法科大学院における特別選抜には、法曹養成連携協定を締結した法学部の法曹コース修了予定者を対象とする「5年一貫型選抜」と、同協定を締結した法学部に限定されず、法曹コース修了予定者であれば対象となる「開放型選抜」とがあります。本学の法曹コースの修了予定者は、同協定を締結している慶應義塾大学法科大学院の5年一貫型選抜に出願することができるほか、開放型選抜を採用している法科大学院(慶應義塾大学も含む)の開放型選抜に出願することもできます。
● 慶應義塾大学法科大学院「入学者選考」のページ

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