ハーバード大学ジョセフ・ナイ教授に名誉博士号
法学部からの名誉博士学位の推挙を受けて、10月20日、三田キャンパス演説館にて、ハーバード大学特別功労教授ジョセフ・ナイ氏に対する慶應義塾大学名誉博士(法学)称号授与式が行われました。
ジョセフ・ナ イ教授の研究業績は、国際関係における相互依存や核兵器からリーダーシップ論まで多岐にわたりますが、特筆すべき「ソフト・パワー」概念は、学問の領域を 超えて、現実のアメリカ外交や国際政治に大きな影響を与えてきました。また、教育者としても顕著な能力を発揮し、アメリカはいうまでもなく、日本を含む諸 外国の数多くの学者、政治家、官僚、実務家を育成してきました。さらに、冷戦後に「漂流」していた日米同盟を再定義する作業を主導するなど、アメリカ政府 の高官として日米関係の進展に多大なる貢献をされてきました。こうしたナイ教授の学術と教育における傑出した功績と、日米関係に対する多年の貢献に鑑み、今回、慶應義塾大学名誉博士(法学)の学位が授与されたのです。
ナイ教授への推薦文を朗読する国分良成法学部長
ナイ教授に名誉学位記を授与する清家篤塾長
慶應義塾のペンマークの由来となった成句「ペンは剣よりも強し」と
ソフト・パワーの類似性に言及して、挨拶と感謝の言葉を述べるナイ名誉博士
式典の後、三田キャンパス北館ホールにて、田所昌幸法学部教授の司会のもと、ナイ教授により「アメリカ、日本、および中国(The United States, Japan, and China)」と題した記念講演が行われました。多くの法学部教員、塾生、慶應義塾関係者、その他の参加者が熱心に聴講しました。

日米安保条約署名50周年に当たり、日米中の関係は堅固な日米同盟を
基礎にしていることを忘れずにいることが重要だと語るナイ教授
撮影:石戸 晋