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ゲオルク・ボルゲス教授 学術講演会

 2015年12月4日(金)、慶應義塾大学三田キャンパス南校舎472教室にて、ゲオルク・ボルゲス教授(ザールラント大学)による学術講演会「『ペッパー』と法――新たな科学技術に対応する法改正は必要か(”Pepper” und das Recht – Reformbedarf im Recht durch neue Technologien?)」が開催されました。

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 「ペッパー」というのは、ソフトバンク社が提供する、感情をもったパーソナルロボットのことです。「ペッパー」に象徴される新たなデジタル世界に対して、現行法は十分に対応できているのか。本講演ではこの問題に答えるために、自動運転自動車による事故、家事ロボットによる殺人、鉄鋼工場へのハッキング攻撃といった具体的な事例について、損害賠償責任の成否と主体の問題が詳しく検討されました。教授は結論として、デジタル世界に適した法改正が必要不可欠だとし、次のような言葉で講演を結んでいます。「われわれが生きているこの新たな世界は、法に対しても挑戦状を突きつけている。法は、新たな解決への着手を余儀なくされているのである」。

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 本講演には、民法学者のみならず、刑法や民事訴訟法の研究者、さらには情報技術やロボットの専門家も参加しました。質疑応答においては、教授と参加者との間で、問題や分析視角の設定の仕方から結論として示された立法のあり方にいたるまで、様々な観点から活発な議論がなされ、有意義な学術交流が実現しました。

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