大学院紹介

概要

 昭和26年、新しい学制による大学院の設立にあたり、法学研究科は民事法学と政治学の2専攻で発足し、昭和38年に公法学が独立して3専攻となった。

 法学研究科は、当初、修士課程はマスコミや実業界に就職するための高度な専門教育を、後期博士課程は法学部教員の後継者養成を主たる目的としていたが、昭和40年代に入ると、司法試験受験者を除き、修士課程に所属する院生の大半が後期博士課程に進学するようになり、本塾法学部をはじめ、広く他の大学や研究機関において研究に携わる研究者の養成機関へと発展した。 近年、修士課程、後期博士課程ともに入学者の数の増加が見られる。

 法学研究科は、新しい時代にふさわしい大学院の拡充と研究指導体制を整備すべく大学院改革に取り組んでいるが、その一貫として、平成9年度から各専攻を横断するようなプロジェクト科目を設置し、専攻に関係なく履修が可能となり、中には、将来他の研究科等との合同のプロジェクトに発展させようと企図するものも含まれている。また平成10年度から、専修ユニットなる構想が打ち出され、高度の知的スペシャリストを養成すべく、関連する他研究科の設置科目の履修を認め、本研究科の単位として認定するシステムが発足した。詳細は、入学後配布される履修案内を参照されたい。

 法学研究科に設置されている後期博士課程においては、従前、在籍する学生数に比して学位取得者が僅少であったため、在籍する研究者に学位請求論文の完成を促してきたが、その成果が見られ、年間1ないし2件を出ることのなかった学位授与者が、昭和61年ころから漸増し、各年最低6件、最高12件に達するようになった。 しかしその大部分は論文博士であった。そこで、在籍する者に、早期の学位論文提出を促すべく、昭和63年度入学者から、博士論文の一部となる研究成果を、順次、学術雑誌等に発表して学会の批評を問うとともに、公刊された論文を研究科委員会において審査することとし、第1・第2論文が審査に合格した後、第3論文が完成すると、専攻別に開かれる合同発表会(研究科委員・大学院生全員の出席を前提とする)において報告し、研究科委員によって構成される審査員の審査を経て、後期博士課程が修了するという制度を導入した(「積上方式」)。もちろん博士論文(少なくとも前述の三本分)に相当するものをまとめて研究科委員会に提出し、その審査を経て、ただちに合同発表会にのぞむ方式を選択することも可能である(「一括方式」)。

 また、後期博士課程に在籍する者は、3年を限度に在学期間を延長して学位論文を完成させることもできるし、退学して3年以内に学位論文提出することも可能である。この他、もちろん、前述の論文博士の制度があることはいうまでもない。  また、当研究科では、多くの留学生を受け入れており、当研究科に所属する学生との交流が進む一方、研究職をめざす学生の多くが、世界各国の大学に留学し、研究面における国際交流の成果が見られる。

進路

 民事法学および公法学専攻では、平成16年の法科大学院(法務研究科)開設以来、修士課程の入学者は減少傾向にあり、その分、留学生が増加して国際化が進んでいる。日本人の院生については、研究者志望者や国家公務員試験等の受験者も多い。

 修士課程を修了した学生の多くは、一般企業に就職するが、民事法学および公法学専攻の学生は企業の法務部門に職を得、政治学専攻の学生においても、ジャーナリストなど研究歴を生かした職種に就職する傾向が見られるようになりつつある。

 修士課程を修了して後期博士課程に進学し、その課程を修了した者の中には、大学教員・研究者の職を得ている者のほか、各種研究機関、国際公務員等の職を得ている者も見られる。また、政治学専攻からは、ごく少数ではあるが政治家を志す者が育ち、現在活躍している。

民事・公法学専攻

 民事法学及び公法学専攻では、従来の修士課程における法学教育は指導教授の専門領域に集中する傾向が見られたため、平成5年度から「総合演習」「総合合同演習」「基礎法学演習」を設置し、法理論だけでなく実務的な諸問題を解決する能力の養成や、将来研究者をめざす者には必須の基礎法学的素養を身につけさせるべくカリキュラムが編成されている。「総合演習」はひとつの専門領域に偏りがちであった従来の法学教育を幅広い視点から対応できるようにし、さらに「総合合同演習」は、専任教員のほかに実務家などの講師を招いて、多領域ないしは学際分野にわたる諸問題に、理論的側面のみならず実務的側面からも、多角的なアプローチを行うことを企図するものである。また「基礎法学演習」は法哲学・法理学・法思想などを中心にテーマを選び、こうした基礎法学的素養と分析・検討能力を持った法曹人、特に法律学専攻の研究職をめざすものを養成することを目的としている。

  その他、比較法的研究方法の習得のため、従来、英米法、ドイツ法、フランス法などの科目を開講してきたが、これを複数設置し、徹底した少人数方式による指導体制がとられている。また、ことに研究者をめざす者にとっては、留学が必須であるが、その機会も他大学に比して、相当容易に得られるであろう。

政治学専攻

 政治学専攻で基礎科目の修得は学部において履修済であることを前提、修士・後期博士の各課程を通じて各々の専門領域を研究することとし、そのために修士・後期博士課程履修者には特殊研究・特殊演習が設置されている。前者は、単一講師による授業であるが、少人数での演習を実施するものである。また隣接研究グループに属する学生も参加するので、幅広い観点からの専門的知識の修得が可能となり、交流も広がる。後者は、いわゆる大学院ゼミと呼ばれるもので、きめ細やかな指導が行えるように、教授の指導下に登録されている学生のみが履修できる。各自の研究の進捗状況に応じた個別指導が実施され、共通文献による演習も行われる。 その他、複数講師による合同演習も準備されている。合同演習は政治学専攻に所属する教員以外の講師を登用することも可能であるため、他専攻だけでなく学部外、場合によっては他大学の講師や実務家が参加するなどバラエティに富んだ内容となっている。講師の選択に当たっては学生諸君の要望を取り入れて決定するところも多く見られる。

 また本専攻では半年単位で科目を設定し、多くのプロジェクト科目が現在実施されている。

『法学政治学論究』について

 法学研究科生が研究業績を発表する場として、『法学政治学論究』が年4回刊行されている。これは、法律学・政治学の分野におけるレフェリー付きの専門学術誌として、既に全国的に高い評価を得ているものである。外部からの投稿の場合には審査掲載費が必要となるが、法学研究科生の場合は、既に納付金の中で論文刊行費を納入しているので、重ねて徴収するものはない。下記に掲げた投稿規程に従って積極的に応募してほしい。なお、投稿された論文は、専門の審査員によって厳格に審査され、合格したもののみが掲載される。法学研究科生はもちろん購読も無料である。発刊されるつど、配布について掲示がされるので、指定された期間に配布場所で受け取ること。