コラム

あなたは法律学科?政治学科?

こんなテーマに興味のある人は法律学科に向いています。

ブログにこの歌使っていい?
会社は誰のもの?株主?社員?それとも社会全体?
よく聞く〝連帯保証人"と〝保証人"はどこが違うの?
国際紛争は「条約」で解決できるの?
これからの原子力行政の課題は?
日本国憲法が〝世界最古の憲法.と言われるのは、どういうこと?
冤罪を防ぐためには、取調べの可視化?
結婚したら夫婦は同姓?それとも別姓?
同じ職場でも、正社員と派遣社員は違うの?
民法が古代ローマの法にさかのぼれるって、本当?

こんなテーマに興味のある人は政治学科に向いています。

国連は世界政府になり得るの?
マスメディアが政治に与える影響は?
参議院は必要?
中国の共産党支配はこれからも続くの?
国際テロリズムはなぜ起こるの?
なぜ内戦がおこるの?
日本だけがなぜ東アジアで近代化にいち早く成功したの?
デモクラシーって衆愚政治でしょ?
正義って何?
有権者は何を基準に投票するの?

身近なニュースから考えよう

ついに動き始めた国際刑事裁判所(ICC)

フィリップ・オステン

国際刑事裁判所(ICC)は、「国際社会全体の関心事たる最も重大な犯罪」を訴追・処罰するために設立された、史上初の常設国際刑事法廷です。2003年に活動を開始したICCは、2014年にようやく初の上訴裁判部判決を言い渡しました。ICCに係属している事件の数は年々増加しており、世界中がICCの動向に関心を寄せています。
ICC初の判決となった「ルバンガ事件判決」では、「中核犯罪」のうち、戦争犯罪についての刑事責任が問われました。
被告人トーマス・ルバンガ・ディーロは、事件当時、コンゴ解放愛国軍(FPLC)の総司令官でした。ICC第一審裁判部および上訴裁判部の判決によれば、ルバンガは、2002年9月から翌年6月にかけて、15歳未満の児童をFPLCに強制的に徴集し、敵対行為に積極的に参加させるために使用したとされ、いわゆる児童兵犯罪(戦争犯罪の一類型)の共同正犯として、14年の自由刑に処されました。
このように、ICCでは、国際社会を代表する裁判官たちが、世界各地で発生した重大な人権侵害と日々闘っています。しかし、ICCには、その手足となるべき警察組織や刑事施設が存在しません。そのため、ICCは、各国の協力なしには何もできない、「手足のない巨人」とも称されています。


いわゆる「ブラック・バイト」と労働法

内藤恵

近年、労働法違反の劣悪な労働条件で学生を働かせる、いわゆる「ブラックバイト」が社会問題化しています。厚生労働省もこの問題を憂慮しており、2015年11月『大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査』を行い、資料として公表しました。(*1)
この調査から、学生等がアルバイトをする中で経験する様々なトラブルが浮かび上がりました。例えば、(1)「準備や片付けの時間に対して、賃金が支払われない」13.6%、(2)「一日の労働時間が6時間を超えても、休憩時間がなかった」8.8%、(3)「時間外労働や深夜労働の、割増賃金が支払われない」5.4%、(4)「採用時に合意した以上のシフト勤務を入れられた」14.8%、(5)「一方的に急なシフト勤務を命じられた」14.6%、等(複数回答)の問題が指摘されています。学生達が勤務した業種としては、コンビニエンスストア、個別指導の学習塾、スーパーマーケット、居酒屋が多く、その内、約6割が勤務先で労働条件を巡るトラブルに遭ったとの回答がありました。
これらの労働問題は本来、労働法によって適切にコントロールされています。それにも関わらず、多くの学生が違法な労働条件で働く一つの理由は、学生側が労働関係法令の基礎知識を持たないままに労働市場に参入しているためです。下記に厚生労働省のWebサイトに掲載されている、『学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表』の一部を掲載します。ここに提起された質問は、実は労働法によって規制されている事項です。興味のある方は、ぜひ自己点検してみて下さい。


ブラックバイト点検表
労働基準関係法令に違反する畏れのある事項 該当する労働基準関係法令
1.労働条件の明示 アルバイトに雇われる際に、賃金や労働時間などの労働条件を記載した書面を交付されていますか? 労働契約法第4条、労働基準法 第15条
2.労働時間 所定の労働時間は、週40時間、1日8時間以内となっていますか? (*但し商業や接客娯楽業などの業種のうち、常時10人未満の労働者を使用する事業場は、週44時間) 労働基準法第32条
3.休憩・休日、年次有給休暇 (1)1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を 超える場合には少なくとも1時間以上の休憩を、労働時間の途中に与え られていますか? 同・第34条
(2)少なくとも週1日、もしくは4週に4日以上の休日を与えられていますか? 同・第35条
4.賃金 (1)賃金は、毎月、決まった支払日に、その全額を支払われていますか? 同・第24条
(2)都道府県ごとに定められている、最低賃金額以上の額を支払われていますか? 最低賃金法第4条、第10条、等
(3)規律違反やミスをしたことを理由に、就業規則に記載のない罰金等 を課されていませんか? 労働契約法第15条、労働基準法 第89条、同第91条
5.割増賃金 週40時間、1日8時間を超えた時間外労働については、通常の賃金の 25%以上。休日労働については、通常の賃金の35%以上の割増賃金を支 払われていますか? 労働基準法第37条
6.解雇、退職 解雇に際して、少なくとも30日前に予告されるか、30日分以上の平均 賃金(いわゆる解雇予告手当)を支払われましたか? 労働契約法第16条、労働基準法 第20条
出典:厚労省「学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表」より一部抜粋(作成・内藤恵)

東南アジアの煙害

山本信人

東南アジアには、煙害という特有の外交・社会問題がある。毎年5月から10月頃にかけて、インドネシア、マレーシア、シンガポールでは煙害が発生する。インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島などでの野焼きや森林火災が発生源とされている。煙害は健康被害にもつながるために、当該三国では深刻な社会問題となっている。
この地域で煙害が注目されるようになったのは1990年代初頭のことであった。その事実から伝統的な野焼きが元凶と断定するわけにはいかない。むしろその時期から活発となっていたのは、世界のパーム油市場の85%を占める生産量を誇るマレーシアとインドネシアのパーム油企業による組織的な森林破壊であった。アブラヤシ農園の経営からパーム油の精製過程まで、企業(資本)の論理が優先されている証左である。
また2015年は気候変動の影響が顕著になった。従来ならば10月から雨期に入り森林火災は自然と消火されていたが、2015年は10月末になってもインドネシアで雨が降らず、煙害は継続した。煙害は、当該三国の外交や政治的な解決の域を超えていることが改めて確認された局面であった。
かように出口のない煙害は、資本の論理、外交関係、住民の福祉との緊張関係を高めている。


消費税

麻生良文

消費税の税率の引き上げが2017年4月に予定されています。消費税でたびたび問題になるのは消費税の逆進性です。これは、低所得者ほど所得に対する消費の割合が高く、そのため、所得に対する消費税負担の割合が高くなるからです。しかし、この主張は、個人の租税負担能力が所得で測られるという「所得課税」の考え方に基づくものです。ところが、税制の専門家の間では、「消費」の方が租税負担能力の指標としてより適切だという意見も強いのです。変動する所得よりも、消費の方がその人の平均的な生活水準をより反映していると考えられるからです。
ただし、「消費課税」の立場が、直ちに間接税である消費税を支持する議論にはつながりません。直接税タイプの「消費課税」も考えられるからです。理論的には、一方の極に「消費課税」の考え方があり、もう一方の極に「所得課税」の考え方があります。また、最近では折衷的な「二元所得税」の考え方も注目を集めています。わが国の消費税をめぐる意見の対立は、そうした税制に対する哲学の対立を反映したものではありません。


「女性の活躍」と会社法

杉田貴洋

アメリカの一人の女性経営者が書いた本が日本でもベストセラーとなり、アメリカ社会でもまだまだ男性が優位な状況にあることが話題となりました。安倍晋三総理大臣は、成長戦略の中核として「女性の活躍」を掲げ、「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」との目標を示しました。そして、経団連などの経営者団体への要請として、すべての上場企業において役員・管理職に女性を積極的に登用すること、まずは役員(取締役や執行役員など)に一人は女性を登用することを求めました。現在、企業経営における人材登用の多様化(ダイバーシティ)の取組みは世界的な潮流となりつつあります。ノルウェーでは、2006年から上場企業に対し女性役員比率4割を義務づける制度(クウォータ制)が施行されています。EUでは、2013年11月、欧州議会において、域内上場企業に社外役員に占める女性の割合を2020年までに40%に引き上げることを内容とする指令案が賛成多数で可決されました。女性役員のいる会社の方がいない会社よりも業績が良好であるとする実証研究も出てきています。このように、上場 企業における女性役員の拡大に向けた制度的取組みが各国で議論されています。


国名 根拠法(制定年) 対象 割当の内容
イスラエル 国営企業法(1993年) 国営企業 女性取締役がいない場合、担当大臣が女性を任命。
会社法(1999年) 企業 取締役に一方の性がいない場合、義務的に任命される社外取締役2名のうち1名はもう一方の性とする。
ノルウェー 会社法(2003年) ・国営企業
・複数州で活動する企業
男女それぞれ40%以上。
会社法(2005年) 株式会社 取締役の人数に応じて異なる割合を設定。
取締役2〜3名:男女双方
同4〜5名:男女とも2名以上
同6〜8名:男女とも3名以上
同9名:男女とも4名以上
同10名以上:男女とも40%以上
遵守できない場合、企業名の公示、企業の解散等の制裁あり。
スペイン 実践的男女平等法(2007年) 従業員250名以上の上場企業 2015年までに女性の割合を40%以上60%以下にする。
オランダ 専務・常務取締役におけるジェンダー・クオータ法(2009年) ・国営企業
・従業員250名以上の有限責任会社
2015年までに男女それぞれ30%以上。
遵守できない企業は説明が求められる。
アイスランド ジェンダー・クオータ法(2010年) 従業員50名以上かつ取締役3名以上の国営企業と株式会社 2013年9月1日までに男女それぞれ40%以上。
フランス 取締役および監査役の構成に関する法律(2011年)
※2017年までの時限立法
・上場企業
・非上場企業のうち最近3年間の年商が5,000万ユーロ以上かつ従業員を少なくとも500名雇用している企業
・2011年から上場企業は6年以内、非上場企業は9年以内に男女それぞれ40%以上。ただし、上場企業は3年以内に20%以上とする。
・一方の性のみで取締役会が構成される企業は2012年度までにもう一方の性を少なくとも1名登用する。
出典:『男女共同参画白書平成23年版』第1部特集第11表

東南アジアの静かな変革

山本信人

2014年5月、世界を揺るがす政治的事件が東南アジアで発生した。1992年以来民主的制度が定着していたタイで軍事クーデタにより、軍事政権が発足したのである。過去数年間タイでは国を二分する政争と有権者の対立が展開していたが、それを収束させたのが軍による戒厳令の施行であった。民主化後のタイでは、軍は専門家集団化し政治的な介入はしないと目されていただけに、予想外の事態に激震が走った。  近年、東南アジア諸国では政治的に国民が二分化する傾向が強くなってきている。それが顕著に表れるのが選挙の場である。政権与党 vs 野党(マレーシア、カンボジア)、与党の掲げる政策 vs それに対抗する政策(シンガポール、フィリピン)、大衆的人気を集める政治家 vs 既得権益を有する政治エリート(タイ、インドネシア)というように、選挙ごとに対立の構図が明確になる。問題は、選挙時の対立の構図が選挙後も政治家や市民の間にくすぶり続けるところにある。そのために民主的な制度を超えたところで政治対立や権力抗争が展開する。皮肉なのは、選挙や地方分権化という民主的制度が既得権益層の権力基盤の再編成を促し、彼らが民主的制度を乗っ取りつつあるという実態である。


危機的な日本財政

麻生良文

日本の公債残高は2013年度末でGDPの200%の規模に達しています。これに対し、政府は、2020年度までに基礎的財政収支を黒字化することを目標にしています。ところが、内閣府の試算では、今後、3%の名目成長が続くという超楽観的なシナリオのもとでも、2020年の基礎的財政収支はGDP比で2%の赤字であり、目標に達しません。
基礎的財政収支とは、税収から利払い費を含まない政府支出を引いたものです。財政破綻を招かないためには公債残高をGDPとの比でみて一定値にとどめる必要がありますが、このためには、単に基礎的財政収支の黒字化だけでは不十分で、(利子率マイナス経済成長率)×公債残高に等しいだけの基礎的財政収支の黒字を出し、しかも、その水準を永遠に維持しなければならないことが知られています。現時点で直ちに対策を打ったとしても、財政破綻を避けるために必要な黒字の大きさはGDPの2%であり、これは2013年の水準からGDP比で9%もの財政収支の改善が必要なことを意味します(利子率と経済成長率の差を1%と想定:理論的にもっともらしい想定)。消費税率に換算すると23%ポイントもの切り上げが必要だという数字なのです。


お薦めの本・法学部の先生が書いた本

『「憲法上の権利」の作法〔新版〕』

憲法上の「権利」の作法〔新版〕

小山剛(尚学社、2011年)
書名も目次も風変わりであるが、れっきとした体系書である。意図したのは、暗記型学習から「理解」への転換である。そのため本書は、権利の構造(国家に不作為を求めるのか、作為を求めるのか)に基づいた体系を採用し、読者が通読できるように、頁数を抑えた。

『法と正義のイコノロジー』

法と正義のイコノロジー

森征一・岩谷十郎編(慶應義塾大学出版会、1997年)
本書は、「法」あるいは「正義」がいかにイメージされ、何に象徴されているかについて、古今東西の絵画・彫刻・銅像などに託された思想やメッセージから探究する書籍である。法律の解釈・適用を語る前にその根本に触れてみよう。

『リーガル・リサーチ&リポート』

リーガル・リサーチ&リポート

田高寛貴・原田昌和・秋山靖浩(有斐閣、2015年)
本書は、様々なシーン(ゼミ報告、ディベート、レポート作成、試験)を通して、法律学をどのように学んでいくか、懇切丁寧に説明している。本書を読み進めば、法学部で身につけようとする「法的思考」の正体をつかめるはずである。

『プレップ法と法学』

プレップ法と法学

倉沢康一郎(弘文堂、1986年)
法律学というと、細かな条文や判決の学習を通した専門的技術の体得をイメージしがちであるが、その準備段階として、法律と人間との関わりについて、これだけは持っていてほしい基本的視点を本書から学んでおこう。

『福沢諭吉-「官」との闘い』

福沢諭吉-「官」との闘い

小川原正道(文藝春秋、2011年)
近代化の過程で、福沢諭吉はどんな政治思想を構築し、現実政治とどう関わり、それは現代いかなる意味をもっているのか。本書は、新資料を駆使しながら、福沢と明治政府との暗闘の歴史を浮き彫りにし、社会における独立した個人の重要性を問いかける。

『比較政治学』

比較政治学

粕谷祐子(ミネルヴァ書房、2014年)
データ分析を駆使して、世界各国における「ナショナリズム」「民主化」「選挙制度」などを説明した本。大学生向けの教科書ではあるが、政治という人間の営みの本質を知ってほしいと願う著者の熱い思いは、受験生にも十分伝わってくるはずだ。

『歴史認識とは何か日露戦争からアジア太平洋戦争まで』

歴史認識とは何か日露戦争からアジア太平洋戦争まで

細谷雄一(新潮選書、2015年)
多くの受験生は試験科目として「日本史」と「世界史」のいずれかを選ぶ。しかし著者によれば、これら二つの歴史の分断に由来する固定観念が、日本と世界の歩みに関わる判断ミスを生んでいる。思考をリセットするためには、現代史の理解が不可欠だ。

『ジャーナリズムは甦るか』

ジャーナリズムは甦るか

池上彰・大石裕・片山杜秀・駒村圭吾・山腰修三(慶應義塾大学出版会、2015年)
将来マスメディアの世界で働きたい、という法学部生は多い。あなたもそうなら、ぜひ本書を手にしてほしい。日本のジャーナリズムが抱え込んでいる深刻な問題を本書は直視する。だが執筆者の誰ひとりとして、ジャーナリズムをあきらめてはいない。

『卵が飛ぶまで考える--物理学者が教える発想と思考の極意』

卵が飛ぶまで考える--物理学者が教える発想と思考の極意

下村裕(日本経済新聞出版社、2013年)
回転するゆで卵が立ち上がり、ジャンプするのはなぜか。この問いを見つけ、仮説を立て検証し、答えを見出した著者。その経験には、「反証不可能性」、「自説の絶対的普遍性」を信じて疑わない今の社会を、考えて生き抜くヒントが詰まっている。

『アカデミック・スキルズクリティカル・リーディング入門:人文系のための読書レッスン』

アカデミック・スキルズクリティカル・リーディング入門:人文系のための読書レッスン

慶應義塾大学教養研究センター監修、大出敦(慶應義塾大学出版会、2015年)
クリティックの本来の意味は「判断、決定する」。東西の文学作品、なじみの歴史教科書の記述などを題材とし、私達が当たり前と思っている解釈に別の読みを与えることによって、あらたな世界を切り拓く。そんな大学での学問的読書の醍醐味とその技法を示した書。

『ビートルズは音楽を超える』

武藤浩史(平凡社新書、2013年)
ビートルズの、音楽を超えた歴史的意義と普遍性を、「ミドルブラウ文化」「笑い喋り動く身体」「つながる孤高」という独自のキーワードを手掛かりに読み解く。本学部教授陣の多彩性の一端に触れられる本。

『アカデミック・スキルズ(第2版)―大学生のための知的技法入門』

アカデミック・スキルズ(第2版)―大学生のための知的技法入門

佐藤望・湯川武・横山千晶・近藤明彦(慶應義塾大学出版会、2012年)
大学では、自らテーマを設定して問題を探求する能力を培うことが重要になる。本書には大学で学ぶための基礎的な技法、例えばノートの取り方やレポートの書き方などがわかりやすく説明されており、政治学・法律学はもちろんのこと、人文科学・自然科学を学ぶ上でも大きな助けになるであろう。

『民法はおもしろい』

福沢諭吉-「官」との闘い

池田真朗(講談社現代新書、2012年)
民法は、親子、結婚、相続、所有権、契約など、人が生まれてから死ぬまでのすべてにかかわる市民生活の基本法である。つまり、誰もが知っておくべき「人生の必修科目」であると言える。本書は、民法の輪郭を、一般市民の目線に立って分かり易く解説する。

『未完のファシズム 「持たざる国」日本の運命』

自分で考えるちょっと違った法学入門〔第3版〕

片山杜秀(新潮選書、2012年)
はじめ合理的な現状認識に立っていた日本陸軍の指導者たちが、狂信的な精神主義をズルズルと奉じていく大正期から昭和初期のプロセス。ところで、ここで描かれた思想の歴史は現代の日本、何より私たちにとって完全に無縁なのだろうか。

『正しい戦争と不正な戦争』

正しい戦争と不正な戦争

マイケル・ウォルツァー/萩原能久監訳(風行社、2008年)
戦争について、道徳的な用語を用いて議論しようと試みた名著。戦争のルール、侵略の理論、民間人への戦争、侵略と中立、そして戦争責任・・・。政治哲学と道徳理論の観点から戦争を捉える必読書。法学部で政治哲学を担当する萩原能久が監訳した。

『中国は、いま』

中国は、いま

国分良成(岩波新書、2011年)
中国政治はどうなるのか。中国はどこへ向かうのか。21世紀の最大の課題ともいえるこの難しい問題に対して、これまで日本の中国研究を牽引してきた編者を中心に、世界的に著名な専門家や実務家が説得的に中国の今を論じる。最新にして最良の中国入門。

『国際秩序 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』

日露戦争史?20世紀最初の大国間戦争

細谷雄一(中公新書、2012年)
国際秩序はどのように築かれるのか。「均衡」「協調」「共同体」をキーワードに、スペイン王位継承戦争から現代に至る約300年の国際政治史を読み解く。日本外交の将来を考えるうえでも必読の書。